五十肩について

こんにちは! リハビリテーション科です!

毎日暑い日が続いていますが、体調の方はいかがですか?

 

今回は、五十肩(凍結肩)について紹介します。

 

五十肩(凍結肩)は中年以降に、明らかな原因がなく肩の疼痛と、文字通り肩が凍ったような可動域制限が生じる疾患で、肩関節の構造物の退行変性により発症すると言われています。肩関節周囲炎や癒着性関節包炎とも呼ばれています。

四十肩、五十肩は、その名の通り40代で症状が出れば四十肩、50代で症状が出れば五十肩と呼んでおり、それぞれに違いはありません。

四十肩・五十肩は退行変性による発症が多いため、中年期以降に多く、特徴として肩をあげたり水平に保つのが難しくなります。そのため、洗濯物が干しづらくなった、肩より上の物が取りづらくなった、背中のファスナーがあげられないなどの症状が現れます。

 

五十肩の症状や所見としては、

 

 ・40~60代の女性に好発する

 ・衣服の着脱や結髪、エプロンの紐を結ぶなど、さまざまな日常生活動作が困難となる

 ・肩の前方を中心をした圧痛が見られる

 ・肩から腕にかけての運動時痛に加えて、安静時痛や夜間時痛も出現する

 ・夜間時痛は、患側を下にした時の側臥位痛と寝返り時の疼痛が特徴的

 

などがあります。

 

五十肩の病期は、痛みと運動制限が出現する炎症期(freezing  phase)、拘縮が強くなり日常生活動作の制限が明らかになる拘縮期(frozen  phase)、疼痛、可動域制限が次第に軽減していく回復期(thawing phase)に分類されます。全体として1~2年ほどの経過で拘縮や痛みが軽減するとされています。

 

病期について詳しく説明します。下記のような経過を辿ります。

炎症期(~36週)

 ・疼痛が最も強い時期であり、運動時痛の他、安静時痛や夜間時痛も出現する

 ・可動域制限は疼痛と筋の痙縮により生じる

 ・この時期は痛みを取ることと可動域を維持することがメインとなる

 ・患部の安静と消炎鎮痛剤の使用、注射療法がメインの治療となる

拘縮期(4~12ヶ月)

 ・拘縮が中心となり、全ての方向に可動域制限が見られる

 ・疼痛は快方に向かう

 ・拘縮の解除、可動域の改善が目標となる

 ・この時期以降は軽い疼痛を伴う程度の患肢の使用を行っていく

回復期(5~26ヶ月)

 ・可動域が徐々に改善していく

 ・運動時痛も消失していく

 ・この時期になるとストレッチングを中心とした運動療法を積極的に実施していく

 

疼痛が落ち着いていく拘縮期以降は積極的な運動療法が推奨されますが、痛みの強い炎症期に無理に動かすと、炎症を誘発してしまい疼痛が増悪する可能性もあるため、注意が必要です。

 

特に、夜間時痛が発生すると入眠の妨げになり、結果として日中のパフォーマンス低下にも繋がるため、写真のように肩から肘の後方にバスタオルや枕、クッションを置くことで入眠しやすくなりますので、夜間時痛で困っている方は試してみて下さい。

 

 

最近肩が上に上がらなくなった、何もしなくても肩が痛い、などの症状がある場合は五十肩の可能性もあるため、当院にご相談下さい。

 

次回は五十肩に対しての運動療法や注意点についてお伝えしようと思います。

2024年09月01日