こんにちは!リハビリテーション科です!
日に日に秋が深まる季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。
今月はアキレス腱断裂についてご紹介します。
アキレス腱は、踵の骨とふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)をつなぐ太い腱です。(図1)
(図1)
アキレス腱断裂は、全てが切れる完全断裂と、一部が切れる部分断裂があります。
また、幅広い年齢で発症します。
受傷機転としては、ジャンプや蹴り出しの時に『膝関節が伸びた状態で、腓腹筋やヒラメ筋が急激に収縮』して起こることが多いです。(図2)
(図2)
若い世代にはスポーツやダンス中のジャンプ・ターン・ダッシュなどの際に生じやすく、
高齢者の場合は日常的な動作によって生じることがあります。
腱が切れる瞬間に、「バン!」「ブチッ!」の様な破裂音や、ふくらはぎを後ろから叩かれた感覚などの衝撃を感じることが多いです。
治療方法として、ギプスや装具を用いて自然に治癒させる保存療法と断裂したアキレス腱を直接縫合する手術療法とがあります。
保存療法は再断裂しやすいと言われていましたが、最近はギプス固定期間を短くし早期に適切に荷重をかけることにより、再断裂率は手術療法と同等となってきました。合併症が少ないことも保存療法の長所です。
手術療法は、しっかりと腱を縫合するため、ギプス固定期間が短縮され、早期の社会復帰が可能となります。職場への復帰は、手術療法を行った方が早いと言われています。低侵襲手術を行えば手術後感染症の発症率を低くすることができます。
スポーツ復帰に関しては、保存療法でも十分可能です。しかし、手術療法ではヒラメ筋の萎縮が少なく、早期にふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力の回復が得られるため、スポーツ選手には手術が行われることもよくあります。手術療法を行った場合でも、スポーツ復帰には少なくとも5~6か月程度を必要とします。スポーツ種目やスポーツレベルにより復帰時期は異なるため、主治医とよく相談の上、スポーツ復帰を決めることが大切です。
当院でのリハビリテーションでは、超音波療法による疼痛軽減や、足部のストレッチ、可動域訓練、筋力トレーニングを行っていますので、お気軽にご相談下さい。