皆さんこんにちは。いよいよ秋らしくなり、〇〇の秋と何をするにも気持ちの良い季節となってきました。今回は、運動の秋ということで国が打ち出している運動の取り組みのご紹介と、最適な運動をいくつかかいつまんで提示できたらと思います。
国は健康日本21と題して2000年より全国民が健康で実り豊かな人生を実現できるよう、2003年の健康増進法に伴い、運動指針がを定めています。
この中で高齢者に対して、
・3メッツ以上の身体活動(生活活動、運動)を15メッツ・時/週以上行う。(歩行または同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行う。)
・筋力、バランス、柔軟性など多要素な運動(ラジオ体操、ヨガ、ダンスなど)を週3日以上行う
・座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないよう注意する(30分以上の座位保持は避ける)
が推奨されています。効果として、
・3メッツ以上の運動を15メッツ・時/週以上行う高齢者は総死亡および心血管死亡リスクが30%低下する。身体活動が少ない人ほど、少しの身体活動でも健康増進効果が期待できる。
・多要素な運動を3日/週行うことで転倒リスク12-23%、骨折リスク15-66%の低減が認められる。
・30分以上の連続するような座位行動を中断することで、食後血糖値やインスリン抵抗性、中性脂肪といった心血管代謝疾患のリスク低下が期待できる。
とあります。ここで聞き慣れないメッツという言葉が出てきましたよね?
メッツとは身体活動の強度を表し、安静座位を1メッツとしたときにその身体活動が何倍のエネルギーを消費しているかという指標になります。下に例を表した図を示します。
このように活動を数値化することで、身体活動を運動強度別に振り分けることができます。この表を参考に普段どれだけの運動強度で生活しているか振り返ってみると、まだまだ活動が足りないなとか気づきになってくれたらと思います。また3メッツの運動も連続で40分続ける必要はありませんので、午前、午後に分けるとか、日によってこの日は運動を多めに取るなど、運動を行いやすい環境を整えて実行していただいて構いません。ぜひ今までの生活に少しアクセントをつけていただけたらと思います。
次回は具体的に高齢者が推奨されている、3メッツの運動についていくつか提示してみたいと思います。日頃の生活に取り入れてもらえたらと思ってます。
こんにちは! リハビリテーション科です!
残暑が続きますが、体調の方はいかがですか?
前回は、五十肩についてどういったものなのか、どんな症状が出るのかを紹介させていただきました。今回は、五十肩に対しての運動療法や注意点を紹介していこうと思います。
疼痛痙縮期
この時期は痛みが出やすいので、肩甲骨周りの動きの改善をします。
肩関節は動かさず、肩甲骨を上下に動かす運動をしましょう。
1日20回~30回を2~3セットしてください
猫背にならないように注意してください
拘縮期
肩の動かしにくさが強くなり、日常生活に支障が出やすくなる時期なので、肩周りの筋肉のストレッチを行いましょう。
痛みがある方の腕をもう片方の腕で介助するように持ち、腕を上下させます。
1日20回~30回を2~3セットしてください
痛みがある方の腕は力を入れず脱力させてください。
痛みが減ってきたら座位で行います。
痛みがある方の肩が上がらないように注意してください。
痛みが強い時期に無理な運動を行うと、痛みの増悪を助長する可能性がありますので、注意して下さい。
気になることがありましたら当院にご相談ください。
こんにちは! リハビリテーション科です!
毎日暑い日が続いていますが、体調の方はいかがですか?
今回は、五十肩(凍結肩)について紹介します。
五十肩(凍結肩)は中年以降に、明らかな原因がなく肩の疼痛と、文字通り肩が凍ったような可動域制限が生じる疾患で、肩関節の構造物の退行変性により発症すると言われています。肩関節周囲炎や癒着性関節包炎とも呼ばれています。
四十肩、五十肩は、その名の通り40代で症状が出れば四十肩、50代で症状が出れば五十肩と呼んでおり、それぞれに違いはありません。
四十肩・五十肩は退行変性による発症が多いため、中年期以降に多く、特徴として肩をあげたり水平に保つのが難しくなります。そのため、洗濯物が干しづらくなった、肩より上の物が取りづらくなった、背中のファスナーがあげられないなどの症状が現れます。
五十肩の症状や所見としては、
・40~60代の女性に好発する
・衣服の着脱や結髪、エプロンの紐を結ぶなど、さまざまな日常生活動作が困難となる
・肩の前方を中心をした圧痛が見られる
・肩から腕にかけての運動時痛に加えて、安静時痛や夜間時痛も出現する
・夜間時痛は、患側を下にした時の側臥位痛と寝返り時の疼痛が特徴的
などがあります。
五十肩の病期は、痛みと運動制限が出現する炎症期(freezing phase)、拘縮が強くなり日常生活動作の制限が明らかになる拘縮期(frozen phase)、疼痛、可動域制限が次第に軽減していく回復期(thawing phase)に分類されます。全体として1~2年ほどの経過で拘縮や痛みが軽減するとされています。
病期について詳しく説明します。下記のような経過を辿ります。
○炎症期(~36週)
・疼痛が最も強い時期であり、運動時痛の他、安静時痛や夜間時痛も出現する
・可動域制限は疼痛と筋の痙縮により生じる
・この時期は痛みを取ることと可動域を維持することがメインとなる
・患部の安静と消炎鎮痛剤の使用、注射療法がメインの治療となる
○拘縮期(4~12ヶ月)
・拘縮が中心となり、全ての方向に可動域制限が見られる
・疼痛は快方に向かう
・拘縮の解除、可動域の改善が目標となる
・この時期以降は軽い疼痛を伴う程度の患肢の使用を行っていく
○回復期(5~26ヶ月)
・可動域が徐々に改善していく
・運動時痛も消失していく
・この時期になるとストレッチングを中心とした運動療法を積極的に実施していく
疼痛が落ち着いていく拘縮期以降は積極的な運動療法が推奨されますが、痛みの強い炎症期に無理に動かすと、炎症を誘発してしまい疼痛が増悪する可能性もあるため、注意が必要です。
特に、夜間時痛が発生すると入眠の妨げになり、結果として日中のパフォーマンス低下にも繋がるため、写真のように肩から肘の後方にバスタオルや枕、クッションを置くことで入眠しやすくなりますので、夜間時痛で困っている方は試してみて下さい。
最近肩が上に上がらなくなった、何もしなくても肩が痛い、などの症状がある場合は五十肩の可能性もあるため、当院にご相談下さい。
次回は五十肩に対しての運動療法や注意点についてお伝えしようと思います。
こんにちは!リハビリテーション科です!
最近は暑い日が多いですが、体調の方はいかがでしょうか。
前回は、関節リウマチの症状や分類を紹介しました。
今回は、関節リウマチに効果的なリハビリやセルフトレーニングを紹介していこうと思います。
関節リウマチのリハビリテーション
患者のQOLを維持するために、リウマチの治療において薬物療法、手術療法とともに重要な位置を占めます。消炎・鎮痛や血流改善、関節可動域や筋力の保持・改善を行い、少しでも日常生活がスムーズに行えるようにする必要があります。
消炎・鎮痛、血流改善では物理療法を行い、温熱療法や水治療法、温泉療法、寒冷療法、電気・光線療法などがあります。
関節可動域や筋力保持の改善では運動療法を行い、可動域訓練や等尺訓練、自動運動、他動運動などがあります。
関節リウマチのセルフトレーニング
トレーニングによって、関節の動きや筋力の維持・向上や関節の変形を防ぐことができます。
筋力トレーニングは歩行能力の維持・向上させるために足の筋力をつけることが重要です。
今回は手と足のトレーニングを紹介したいと思います。
手のトレーニング
手首を動かして可動域の維持・拡大のためのトレーニングです。両腕を前に伸ばした状態で、手首をゆっくり上下に動かすのを10回程度行います。痛くない範囲で行いましょう。
足のトレーニング
移動能力の維持・向上のためのトレーニングです。手で壁や机、椅子などでも良いので、支えを持った状態でたったまま踵上げを10回程度行いふくらはぎを鍛えます。
腫れている時や熱っぽい時、痛みなど炎症症状がある場合は冷やしたり安静を保ったり、関節に負荷がかからないようにしましょう。
気になることがありましたら当院にご相談ください。
こんにちは リハビリテーション科です!!
今回は関節リウマチの症状や分類、判断基準についてご紹介します。
関節リウマチは、多発性の関節炎を主症状とする原因不明の全身性疾患です。病変は関節の滑膜炎で始まり、当初は手足あるいは膝などに限局した疼痛と腫脹が主体であり、次第に全身の関節が侵され、関節の変形、疼痛が生じて機能障害をきたします。
有病率は0,2%~1,2%で全国のリウマチ患者は70万人~80万人と推定されています。20~50歳代に好発しますが高齢で発症する場合もあります。女性の罹患率は男性の3~4倍です。
・リウマチの症状
①朝のこわばり
起床時に関節がこわばり、指が動かしにくい症状を朝のこわばりといいます。体を動かし始めると多くは消退し、その持続時間がリウマチの活動性の1つの指標となります。
②疼痛
関節の自発痛、圧痛、運動時痛を訴えます。疼痛は天候の影響を受ける場合があります。疼痛の訴えは個人差が大きく必ずしも関節の変形やX線所見と合致しません。
③腫脹
炎症性の滑膜肥厚、関節包の肥厚および関節液の貯留による腫脹があります。手指や肘関節、膝関節では腫脹は触診で容易に判断できますが、股関節の触診による腫脹の判断は困難です。
④可動域制限
疼痛による反応性の可動域制限と関節面の破壊および関節周囲の軟部組織の拘縮による可動域制限があります。手関節では関節拘縮が進行して強直をきたすことも多いです。
・関節リウマチの分類基準(2010 ACR/EULAR)
この基準では、少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に、
の4項目についてのそれぞれの点数を合計し、6点以上であれば関節リウマチと診断、抗リウマチ薬による治療を開始することになっています。日本リウマチ学会でもこの基準が検証され、早い時期での関節リウマチの診断に役立つことが示されました。ただし関節リウマチ以外の病気でも合計6点以上になってしまうことがあるため、点数をつける前に他の疾患の可能性がないか十分に検討する必要があります。
・関節リウマチの機能障害分類
Steinbrockerの分類基準
過去に血液検査に問題がなくても繰り返し検査をすることで異常値が出ることがあります。
血液検査でもわかりにくい関節リウマチもありますので、何か気になることがありましたら当院にご相談ください。
次回は、リハビリテーションを含めた関節リウマチに対する治療方法についてご紹介します。
こんにちは!リハビリテーション科です!
最近は日中暑くなる日が多いですが、体調の方はいかがでしょうか。
前回は、ロコモティブシンドロームについてどういったものなのか、どんな症状が出るのか、ロコモティブシンドロームを調べるテストを紹介しました。
今回は、ロコモティブシンドローム予防に効果的な運動療法を紹介していこうと思います。
①片脚立ち(バランス能力の向上)
床につかない程度に片脚を上げ、姿勢は真っ直ぐにして左右共に1分間行います。
1日の目安:左右1分間の2~3セット
※転倒しないように必ずつかまるものがある場所で行いましょう。
②スクワット(下肢の筋力向上)
1.足を肩幅に開きます。
2.お尻を後ろに引くように2~3秒間かけてゆっくりと膝を曲げ、ゆっくりと戻します。
スクワットができない場合は椅子からの立ち座り動作を繰り返し行いましょう。
※支えが必要な方は必ずつかまるものがある場所で行いましょう。スクワット中は息を止めないで行いましょう。
③ヒールレイズ(ふくらはぎの筋力向上)
1.両足で立った状態で踵を上げます。
2.ゆっくり踵を下ろします。
1日の目安:10~20回の2~3セット
※支えが必要な方は必ずつかまるものがある場所で行いましょう。
④フロントランジ(下肢の柔軟性、バランス能力、筋力向上)
1.腰に両手をついて両足で立ちます。
2.片脚をゆっくり大きく踏み出します。
3.太ももが水平になるくらいに腰を深く下げます。
4.身体をあげて、踏み出した脚を元に戻します。
※支えなどが必要な方は両手で掴めるものがある場所で行いましょう。
③と④は余裕がある方は①、②と一緒にやってみてください!
若いうちから毎日の生活の中に運動習慣を持ち、1日3回栄養バランスの取れた食事を摂って、習慣的な運動を行い体力をつけることが、ロコモティブシンドロームの予防や改善につながるといわれています。
※特に①と②は毎日行うことが勧められています。運動を行うことで痛みが出た場合は即座に中止してください。
筋肉の材料になるタンパク質や、骨の材料になるカルシウムを摂取することも大切です。積極的に摂取しましょう。
ロコモティブシンドロームについて詳しく知りたい方は、当院にお気軽に受診して下さい。お待ちしております。
こんにちは!リハビリテーション科です!
暦の上では夏となり夏の兆しがみえる頃となりましたが、いかがお過ごしですか?
今月は、ロコモティブシンドロームについてご紹介します。
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことを言います。
英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」から作った言葉で、移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態を指します。
(運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための身体能(移動機能)が低下した状態をロコモと言います。)
ロコモと運動習慣についてご説明します。
運動器は普段の生活で身体を動かした負荷をかけることで維持されます。そのためロコモを防ぐには、若い頃から適度に運動する習慣をつけ、運動器を大事に使い続けることが不可欠です。
運動習慣は体力に大きな影響を及ぼします。スポーツ庁の調査によれば、どの年齢においても運動・スポーツの実施頻度が高い人ほど体力テストの点数が高く、ほぼ毎日運動する50歳の人は運動習慣のない30歳の人より体力が高いことがわかります。(下記グラフ参照)。
また皆さんはロコモと似ている「フレイル」という言葉を知っていますか?
フレイルとは高齢者において生理的予備能力(外からのストレスによる変化を回復させる能力)が低下し、要介護の前段階に至った状態を意味します。フレイルが現れる要因には、身体的、精神・心理的、社会的の3つの側面があり、このうちの身体的フレイルがロコモと深く関係しています。
ロコモは、フレイルよりも早い時期から現れます。ロコモが進行し、身体能力の低下が自覚症状を伴って顕著になったものが身体的フレイルです。移動機能の低下によって社会参加に支障をきたす「ロコモ度3」が、この身体的フレイルに相当する段階と言えます。
ロコモかどうかは「ロコモ度テスト」と言われる3つのテストで判定をすることができます。
片脚または両脚でどれくらいの高さの台から立ち上がれるかを測ります。
② 2ステップテスト
できるだけ大股で2歩歩いた距離を測る。
③ ロコモ25
運動器の不調に関する25の質問に答える。
これらの結果により、ロコモでない状態、移動機能の低下が始まっている状態をロコモ度1、ロコモが進行し移動機能の低下が進行し自立した生活ができなくなるリスクが高くなっている状態をロコモ度2、ロコモがさらに進行して社会参加に支障をきたしているロコモ度3と判定できます。
気になることがありましたら当院にご相談ください。
次回は、ロコモティブシンドロームの予防や運動療法についてご紹介します。
こんにちは。リハビリテーション科です!!
最近は寒くなったり暖かくなったりと寒暖差もありますが体調の方はいかがでしょうか。
前回は、骨粗しょう症に対してどういった人に多いのか、どんな症状があるのかを紹介しました。
今回は、骨粗しょう症予防に効果的な運動療法を紹介していこうと思います。
骨に適度な衝撃を与えることで新しい骨を作る「骨芽細胞」が活性化され、骨粗しょう症の予防や改善につながると言われています。
※特に③のヒールレイズは効果的と言われていますので、ぜひ実践してみて下さい。また、運動を行うことで痛みが出た場合は、即座に中止をしてください。
①片脚立ち
(方法)
自然に立った状態から床につかない程度に片方の脚を上げる。(図1)
1日1分間 3セット
(図1)
(図2)
<注意点>
バランスを崩して骨折や怪我・転倒しないように安定している壁・手すり・テーブル・椅子などに掴まって行う。(図2)
②スクワット
(方法)
立位姿勢の状態から肩幅より脚を少し広げる。(図3)
↓
その状態からつま先は30度程度外に開く。(図3)
↓
姿勢から腰をやや後ろに沈めるようにして腰を下げる。(図4)
(図3)
(図4)
<注意点>
腰を落とす際、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。(図4)
<ポイント>
☆椅子に腰掛けるように行う!
☆お尻を後ろに少し突き出すように行う!
☆スクワットはゆっくり行う方が効果的!
(2~3秒かけてゆっくり腰を降ろし、2~3秒かけて上がる。)
③ヒールレイズ
(方法)
腰幅程度に開いて立ち、両脚の踵をゆっくり上げて下ろすを繰り返します。(図5)
1日10~20回 3セット
(図5)
<ポイント>
☆踵を下ろす際にドンッと衝撃を加える!
④有酸素運動
ゆっくりではなく早歩きでしましょう。
1日30分 1週間に3回
<注意点>
道が悪いところは避けましょう。
痛みを無理して行わない。→できる範囲で行いましょう。
普段杖を使用してる方や、不安な方は杖など使用しましょう。
⑤背筋運動
うつ伏せになりお腹の位置にクッションを置く。(図6)
↓
両手は腰の位置に回す。→回した手は腰に置くか、手を組む。(図6)
↓
無理なく起こせる範囲で顎を引いたまま上半身をゆっくり起こす。(図7)
1セット10~15回 1日1~3回
(図6)
(図7)
(図8)
<注意点>
上半身を起こすことを意識しすぎて、顎が前に突き出ないようにしましょう。(図8)
自分自身が骨粗しょう症か分からない方や、詳しく知りたい方は当院で骨密度検査を行ってますのでお気軽に当院を受診して下さい。お待ちしております。
はじめに
寒さもいよいよ本格的になり、体調にお変わりないでしょうか。今回は骨粗しょう症についてお話されていただければと思います。現在骨粗しょう症患者数は約1300万人となり、年間約100万人ずつ増加しています。もはや誰もがなりうる身近な疾患です。いくつか「骨粗しょう症と〇〇」と題して、骨粗しょう症に対して知識を深めていきましょう。
骨粗しょう症と性差
男性に比べ、約2-3倍女性が多いのが特徴です。要因として女性は50歳前後を境に女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少します。このエストロゲンは骨の新陳代謝の際に古い骨を壊す作用(骨吸収)を緩やかにします。このため閉経後10年の間に骨量の減少が著しくなり、70歳女性においては3人に1人が骨粗しょう症を発症するといわれています。
骨粗しょう症と寿命
直接寿命に関わることはありませんが、骨粗しょう症になると容易に骨折しやすくなり、特に転倒などにより、脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折の骨折が生じやすくなります。また寝たきりになる原因の第4位に転倒・骨折が位置しており、骨折1年後の死亡率では80歳以上で20%、90歳以上では30%にのぼります。
骨粗しょう症とステロイド
ステロイド剤は炎症を抑えたり、過剰な免疫反応を抑制したり、しばしば用いられます。ですが一方でデメリットもあり、骨粗しょう症とも関連が深いとされています。骨は絶えず破壊と再生を丁度よい塩梅で行っています。ですがステロイド剤の副作用として破壊>再生に傾いた働きをしてしまいます。特に長期間ステロイドをしようした方の30-50%に骨 折を生じる報告もあり、また高齢者に関わらず年齢も幅広い年齢層が対象となります。
おわりに
骨粗しょう症はだれにでも起こりうる疾患です。特に男性では70歳代、女性では50歳後半から罹患率が上昇傾向にあります。当院においても骨密度検査を実施しておりますので、気になられる方はお気軽にご相談ください。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願い致します。リハビリテーション科です!
今回は、ばね指についてご紹介しようと思います!
指は、腱によって曲げ伸ばしをすることができます。手を握ったり強い力を発揮する筋肉は前腕にあり、その力を腱が伝えます。その通り道で指を曲げる腱が浮き上がらないように押さえているのが、靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)と呼ばれるものです。この靱帯性腱鞘は指にありますが、その部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると引っ掛かりが生じて、ばねのようなかくかくとした動きが見られるようになります。これを“ばね指”と呼んでいます。また、経過が長いと隣の指が影響を受けて動かしにくくなることもあります。
ばね指になりやすい人の特徴をご紹介します!
①妊娠出産期の女性や更年期の女性
②スポーツや仕事での手の使いすぎ
③糖尿病やリウマチ、透析患者の人
※特に親指と中指に多く見られやすいです!
<治療法>
治療法としては大きく分けて”保存療法”と”手術療法”があり、基本的には保存療法を選択する場合が多いです。
保存療法では安静にする、痛み止め(薬や湿布の処方)、ステロイド注射があります。
手術療法はステロイド注射を打っても症状が改善しない場合や、再発を繰り返す場合に手術を検討します。痛みの元となっている腱鞘を切開し、その一部を切り離すことで、つらい症状を改善させることが可能です。手術自体は、1㎝程度の切開で済むことが多いです。
セルフケアとして、関節が動かしにくくなることを防ぐために指や腕などのストレッチは効果的です。簡単なストレッチ方法2つご紹介します!
①指を曲げる筋肉のストレッチ
指の付け根から伸ばすイメージで、反対側の手を使って手首を反らして、できる範囲で反らしていきます。痛気持ちい程度で止めて10秒から15秒かけてストレッチをしましょう。※痛すぎる場合はすぐに中止して下さい。
②指を伸ばす筋肉のストレッチ
①のストレッチの反対で、反対側の手で手首と指を曲げて、できる範囲で曲げていきます。これも痛気持ちいい程度で止めて10秒から15秒かけてストレッチをしましょう。※痛すぎる場合はすぐに中止して下さい。
当院でのリハビリテーションでは、超音波療法による疼痛軽減や、手部のストレッチ、可動域訓練、筋力トレーニングを行っていますので、お気軽にご相談下さい。