ロコモティブシンドロームについて

こんにちは!リハビリテーション科です!

暦の上では夏となり夏の兆しがみえる頃となりましたが、いかがお過ごしですか?

 

今月は、ロコモティブシンドロームについてご紹介します。

 

ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことを言います。

英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」から作った言葉で、移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態を指します。

 

(運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための身体能(移動機能)が低下した状態をロコモと言います。)

 

ロコモと運動習慣についてご説明します。

運動器は普段の生活で身体を動かした負荷をかけることで維持されます。そのためロコモを防ぐには、若い頃から適度に運動する習慣をつけ、運動器を大事に使い続けることが不可欠です。

運動習慣は体力に大きな影響を及ぼします。スポーツ庁の調査によれば、どの年齢においても運動・スポーツの実施頻度が高い人ほど体力テストの点数が高く、ほぼ毎日運動する50歳の人は運動習慣のない30歳の人より体力が高いことがわかります。(下記グラフ参照)。 

 

 

また皆さんはロコモと似ている「フレイル」という言葉を知っていますか?

フレイルとは高齢者において生理的予備能力(外からのストレスによる変化を回復させる能力)が低下し、要介護の前段階に至った状態を意味します。フレイルが現れる要因には、身体的、精神・心理的、社会的の3つの側面があり、このうちの身体的フレイルがロコモと深く関係しています。

ロコモは、フレイルよりも早い時期から現れます。ロコモが進行し、身体能力の低下が自覚症状を伴って顕著になったものが身体的フレイルです。移動機能の低下によって社会参加に支障をきたす「ロコモ度3」が、この身体的フレイルに相当する段階と言えます。

 

 

ロコモかどうかは「ロコモ度テスト」と言われる3つのテストで判定をすることができます。 

 

  1. 立ち上がりテスト

片脚または両脚でどれくらいの高さの台から立ち上がれるかを測ります。

 

2ステップテスト

できるだけ大股で2歩歩いた距離を測る。

 

ロコモ25

運動器の不調に関する25の質問に答える。

これらの結果により、ロコモでない状態、移動機能の低下が始まっている状態をロコモ度1、ロコモが進行し移動機能の低下が進行し自立した生活ができなくなるリスクが高くなっている状態をロコモ度2、ロコモがさらに進行して社会参加に支障をきたしているロコモ度3と判定できます。

 

気になることがありましたら当院にご相談ください。

次回は、ロコモティブシンドロームの予防や運動療法についてご紹介します。

2024年05月01日